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オーダースーツは昔は富の象徴だった時代もありましたが、物流・縫製技術の発達などにより、上質なオーダースーツが手ごろに仕立てられるようになりました。
スーツはいつごろから、どのようにオーダーで仕立てるようになったのでしょうか。今回はスーツの起源と発展の歴史についてご紹介いたします!
スーツの発祥は16世紀ごろのイギリスだといわれています。まだその当時は農民服が一般的なものでしたが、今でいう燕尾服(タキシード)のようなつくりが主流でした。
19世紀に入るとイギリスの貴族が着用することをメインとし、朝の散歩用に歩きやすく前裾を大胆にカットしたモーニングコートや乗馬に適した形へと改良されていきます。その後、乗馬後にそのまま宮廷に入れるように礼服化し、現在主流となっている正礼服へと認知されていきました。
現在のスーツの形の起源とされているものは諸説ありますが、軍服と言われています。軍服の首まである襟を倒し楽にした形が現在のスーツの襟の形であり、窮屈さを軽減するためにボタンの数が5個から4個、3個、2個と減らされたものが今のスーツジャケットの形となったと言われています。
どちらも楽に着用できるように変化してきており、その時代の背景に伴って形や仕様が変化していったのです。
スーツの起源を見ていくと、農民服から変化が始まり、そこから軍服や航海士、貴族が動きやすさや利便性を重視した形や仕様をメインに縫製を行い作られたものが現在のビジネススーツの最終形となったのです。
日本でスーツが着用される様になったのは、幕末末期~明治時代以降の軍服が起源とされる説がもっとも有力です。幕末に鎖国が終わり、明治維新以降に日本に入ってきた異国文化のひとつがスーツでした。
とはいえ、当時はまだまだ和装がスタンダードであり、洋装といえばコートが主流の時代でもありました。その後大正時代になると、欧米文化の流入とともにスーツを着用する考えや着用シーンが国内でも浸透してきたことにより、男性のスーツスタイルも一般化していき、やがて日本のスタンダードファッションへと変化していきます。
こうしてだんだんと一般化していきましたが、機械の発達がまだまだだった日本では、『スーツ』といえば職人がいちから採寸をするオーダーメイドスーツしかなかったと言われています。
しかしその後、機械の発達や産業のオートメーション化への移行により大量生産の時代へと変化していきます。ここで作られるようになったのが、オーダーメイドスーツではなく、万人が着用できる既製品スーツが誕生していきました。
日本のスーツの歴史を紐解いていくと、文明開化とともに『スーツ』も一緒に発展してきたことがわかります。また、明治5年11月12日には礼服として洋服が採用されるようになり、このことを記念して、毎年11月12日は「洋服記念日」と制定されているほど、国民の生活やファッションにも大きな影響を与えていることもわかりますね。スーツそのものも日々さまざまな変化をしており、時代とともに簡略化や略式化、その時代にあった形に順応しています。
時代の変化によってスーツの形や仕様が変化してきましたが、着用の仕方も変化していますよね。特に記憶に新しい、第一次小泉第二次改造内閣にて環境省の指導のもと推進された「夏場の軽装による冷房の節約」をキャッチフレーズとした、ネクタイやジャケットを着用しないクール・ビズ」(COOL BIZ)があります。
このクール・ビズですが、現在においても一般化しており、ノーネクタイ・ノージャケットの変化もまた、『スーツ』が時代の変化とともに歩んでいる証となっています。
ちなみに日本でのネクタイ文化は、明治時代に日米和親条約の締結に尽力し、アメリカと日本で活躍したジョン万次郎が最初だとされています。明治時代から、スーツをおしゃれに着こなす文化が始まっていたのですね。
世界の文化や文明の発展とともにスーツも変化していきました。日ごろ何気なく着用しているスーツの歴史を知ると、愛着が増すというもの。世界に一着、自分だけのスーツをオーダーして長く大切に着ていきたいですね!